『重版出来』<11巻>がものすごく面白かった件

おはようからおやすみまで、こんばんわ、ura_love_JPNです。ネットで出会った漫画たちを紹介したい気持ちもあるのですが、それらよりもまずはこちらを読め!と紹介したい表題漫画があるので、まずこれをがっつり投稿します!

黒木華オダギリジョー出演でドラマ化もしていた『重版出来』。特に私の推しは現在既刊新刊11巻、です!

重版出来! 11 (11) (ビッグコミックス)

重版出来! 11 (11) (ビッグコミックス)

 

 ストーリーとしては、卒業間近の女子大生である主人公が出版業界に就職活動をするところから始まります。主人公のいく先々で出会う出版業界に関わる人たちがこれまでに歩んできた人生を垣間見ながら、出版社に就職した主人公も考えたり、考えなかったりする出版業界の日々が描かれる…という作品。(こんな紹介であってる?)

 主人公は柔道に一途な学生時代を過ごしており、日本代表の手前まで達しながら怪我による挫折を抱えたこともあるものの、ストーリーが始まる以前にきちんと挫折を消化できており、作中では常に前向きで軸がぶれません。経歴的にも体型的にも個性が強いキャラでありながら、常にこの作品の中心に設定されているわけではなく、出版業界に携わるいろんな人が入れ替わり立ち替わり主人公ポジションになるため、話の軸を通すための主人公、という趣で<わかりやすいけどうるさくない>のも作品の魅力的です。

周囲のキャラクターたちも魅力的です。大御所漫画家、ヒット作を生み出すものの私生活では女性に振り回されてしまう漫画家、親から愛されなかった(虐待傾向)過去のあるコミュ障新人売れっ子漫画家、大ヒット作を持ちながら身持ちを崩してしまい、娘から見捨てられてしまう漫画家、その漫画家の娘、芽が出ない漫画家のアシスタント、出版社若手営業マン、同僚編集者、コミケ・WEB出身の女子大生漫画家、校閲者、デザイナー、アイドル、雑誌付録作家、本屋店主等々、思い出すだけでいろいろなキャラがそのキャラの人生・気持ちを抱えて行き過ぎてきました。こういう人いるいる、とわかりやすく、でも時折ハッとさせられるところもあり、丁寧な教養小説のような魅力があります。

キャラクターたちも本当に魅力的なこの作品ですが、出版業界のトレンドがきちんと作品に反映されるのがすごいです。

Twitterで漫画家とコミュニケーションする、というネタ早いうちに作品に生かされていたのですが、私もハマった【web漫画】が私が推す11巻の主題になっており、出版業界とweb漫画業界の裏側が垣間見えてものすごく面白かった!

例えば私が先日書いたwebで出会った『ベルセルク』についても、この作品でネタばらしがありました。→大御所の長編作品も新刊の売り上げにつなげるために期間限定にしてwebで大放出をして新規読者を増やす…という施策の一環だそうで。うん、私自身『ベルセルク』に関しては行っていないけど、他の作品に関してはWEBからハマって紙本を買い始めているので11巻に描かれた世界のドツボにハマっていると思われ、自分が『重版出来』の世界に組み込まれたかのような錯覚を覚えましたw

ura-love-jpn.hatenadiary.jp

 

またwebで漫画を読むときの違和感や、紙本に比べて軽さが際立つ点についてもキャラが語ったり考えており、一体感がすごかった。漫画家、頭使ってるよなぁ。そういう頭の使い方があるのね、と学ぶことができるのも魅力的です。考えないもん、一般人は。

…とまあ、たくさん語ってみましたが、作品を読まなきゃ多分わからないと思うので、また何か機会があればぜひぜひ読んでみてください。私自身が本屋のバイトや他にも本に関わることをしてきたことがある人間のため、二割り増しくらいに面白さを感じるのかもしれませんが、きちんと丁寧に取材をして作品に活かしているんだろうなぁと思われる良作です。

あとあと!今回の11巻はこの作品では珍しく若干恋愛要素が多く含まれるため私には読みやすかったかもしれません。私もこう見えて女子の端くれなので!恋愛要素があってちょっとだけでもキュンとくるとやはりいいなぁと。いや、まあ、お仕事漫画だし恋愛要素がある、と言えないかもしれないくらいの、アイドルに恋しちゃうような薄〜い薄〜い恋愛要素なんですけどね、うん。←フォローしておく。←でも大人の恋はこれくらいがいいんだと思うんだよ。

ではでは、おやすみなさいませー。よい週末を!