『ヘレディタリー/継承』観てきた。怖かった。(ネタバレありでガンガン語る。)

こんばんは、ura_love_JPNです。昨夜狼狽えて悩みに悩んだ結果、観てきました。

今日は野暮用があり、一日休みを取っていたのですが、1件目が思いの外早く終わったため、遠方の上映館で観てきたw良かった、調べておいて。おかげで行き帰り交通機関まで猛ダッシュしましたが、思いがけず水曜レディースデーで安く観れたので、これも猛ダッシュの賜物。有難いー

そんなわけでギリギリに駆け込んだわけですが、前置きが長くてうんざりでした。フツーの特報的なのはよいのですが、『アリースター誕生』って宣伝が歌一本分5分くらい宣伝流して、絶対に観ない!とwなんの映画観にきてるかわからないからやめてくれと。

さて、そんな場外乱闘は置いといて、映画の概要。

以下、ネタバレしかないので、注意ください。がっつり説明するので、本当に、ネタバレですが、ネタバレしないと考察できないんだよ。。

 

冒頭にある女性の死が示される。その女性は主人公家族の【祖母】。出だしはそのばあちゃんの葬式から始まる。ばあちゃんの葬式に参列者がやたら多く、主人公は戸惑う。

また同時に主人公は家族とうまくいっていないことが最初から描かれる。旦那とはともかく、息子や娘は母親と距離を置いているよう。特に娘、ばあちゃん子で赤ん坊の頃から泣かなかったことが語られる…

序盤はまあ、前知識もあり思ってたよりリアルな感じで怖くない。ただ、このときからすごく音が怖い。というか不協和音というかイヤーな音連発。これはやばいなあ、と思えるリアルな音含めて嫌な音。映画館だから?家で見たらこんな音出ないだろうからこれは本当に映画館でよかった、怖いけど。

娘が舌打ちするのがクセで、この舌打ち音が曲者。四六時中鳴る。

旦那に電話がかかる。ばあちゃんの墓が暴かれたよう。一週間も経ってないらしいが墓守から連絡ある。が、旦那は主人公に話さない。

そんな中、娘が悲惨な事故で死ぬ。事故を起こしたのは息子。主人公発狂。息子は呆然。旦那は学者のためか、また主人公の取り乱し方をみて落ち着いている様子。

主人公は【遺族の会】的な自助グループに旦那に何も告げず参加する。その絡みである女性と知り合う。女性の前で娘や家族について話す主人公。

家では主人公も息子も異変を感じる。主人公の夢遊病についても語られはじめる。主人公の趣味?のドールハウス作成も娘の死んだ現場や小道具を作り始めたり、このあたりから見てる我々は均衡が狂う感じがある。

女性から死者を呼び出す儀式を聞き、息子や旦那を夜中に叩き起こして実施する。主人公になんかが憑依して息子泣く。旦那水かけて眼を覚ます。古典的。

依り代にした娘愛用のスケッチブック(息子の似顔絵ながら、目が潰されている不気味なものが延々と。このあたりはもう怖い)を燃やそうとすると主人公自身に火がつき燃やせない。

その後、また変な夢を見てか(ごめん、このあたりはもうあやふや)主人公が天井裏を覗くと埋葬されたはずのばあちゃんがいる?しかも頭がない。側には怪しげな紋がある。

…と同時にノイローゼになりかかった息子くんに異変。高校授業中に自分で机に激しく顔を打ち付け、大怪我。このころになるともう娘ちゃんの舌打ちの音が聞こえるだけで息子くん同様怖くてw

主人公は屋根裏の遺体が怖くて外で皆の帰りを待つが、帰ってきたのは夫と大怪我をした息子。

【ここで家に入らなければよいのに、旦那にあわせて息子を運び込んだから、運の尽き。】

主人公は天井裏に遺体があることや変な紋があることを旦那に伝え、娘のスケッチブックを燃やすように泣きつく。先の夜更けの交霊会も相まって旦那疑心暗鬼ながら主人公がシンナーをかけたスケッチブックを火に焚べると、あーら不思議。旦那の方がスケッチブックとともに焼死。主人公いろんな意味でキレた表情でカットが終わる。

さて、残り15分のクライマックス。夜更け、目を覚ました息子。打って変わって無音。怖すぎる。「母さん?父さん?」という呼びかけがもう怖い、もう怖い。しかも何かが天井駆け抜けるし。

下に降りていく息子。なんかいろいろ映り込む。私はこのあたりからもう直視できないw息子、焼死体発見。その直後の背景に、裸の何かがいる。。←なお、このシーンは後から思い返すとちと笑える。

さあ、クライマックス。何かが突然追いかけてきて、天井裏に駆け込み鍵を息子。先に天井を駆け抜けているのは主人公の母ちゃんだった模様。そして、母ちゃん、なぜか天井に張り付いて、息子に鍵を外すことを乞うように、頭をありえない速さで打ち付ける。ああ、見事。

息子、ばあちゃんの死体がなくなっていることに気づく。そして、その死体のあった場所に自分の写真があったことから自分が狙われているのに気付いたが、エンディングへ。。。

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さあ、あなたも見てみたくなった?怖い映画好きなら見たほうがいい。ちゃんと怖いからw

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さて、考察。以下は妄想なので、脈絡なく語ります。この映画の肝は、いつから仕込まれたか。何を仕込まれたかを考えるのが面白い。

個人的に見返したいシーンは、主人公がばあちゃんの遺物(玄関マット、アルバム)を漁るシーン。このシーンをみて誰がばあちゃんの呪いにかけられていたか確認したくて。多分、家族皆、ばあちゃんに呪われていたんだと思う。でも数が一枚少なかったと思う、それが誰かを確認したい。

主人公である娘は、ばあちゃんの血を継いでて、呪われてたはず。だって、すぐに玄関マットを思い出した。あの玄関マットも呪術の一環なはず。皆デザインも違ってたからデザイン的に意味がある。でも全員分あったのかしら、が今更気になる。数が足りなかったような。誰かかかっていなかった人がいるんじゃないかな。だとするとそれはどういう意味なのかなと。逃げる隙がひょっとしてあったのかなかったのか。

あと、主人公は夢遊病じゃなく、ばあちゃんに操られていた可能性がある。夢遊病中にシンナーをかけて子供達を火にかけようとしたという話があったけど、ばあちゃんに操られていたところ、息子の泣き声で「母親」を取り戻した。娘は生まれつき悪魔だった…という論考を見たが、前は息子の声で目を覚ました…と聞いて、泣き声はキーになる要素かもと。主人公が母親であるのは息子の泣き声があるから。

そう一方で、父親の存在は面白い。息子が夢遊病時に母親の目を覚まさせたと同様、夫も交霊会で主人公を目覚めさせている。一方、夫を失った主人公は息子の叫びに耳を貸せない状態になって事切れた。ということは、この作品に登場する女性たちがセットになっているように、男性たちもセットで力を発揮する…とも考えられるのでは。

個人的に女性たちはか弱く描かれているように思える。例えば冒頭からエピペンがなければ娘はナッツアレルギーで死んでしまうように作られていたり、元凶になったばあちゃんも精神錯乱で死んでしまったり、主人公も正直強さを感じない。身体的にも精神的にも、だ。一方で男性陣は結構霊的な事象や家族の不幸にもまあ、なんとか日常を過ごしていた。(もちろん内面穏やかでいられるわけはないが)事切れるまで我々観客側にいた。この比較はおもしろいなぁと。

 いろんな読み方ができるから、猫町倶楽部のクリスマス会で語るにはさぞ楽しかろうと思いながら、今朝クリスマス会の詳細をみたら、参加費8600円…無理っす。クリスマス会参加無理っす。

そんなわけで、この映画についてはいろんな方のブログを拝見させていただこうと思います。

 ちなみにドールハウスでこの映画を思い出した。この映画も後味悪くってしょうがなかった。明らかに違うんだけど、冒頭ものすごくダブってそれが怖かった。こっちの世界はものすごくきれいで、それが悲しいお話でした。

 

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 そんな感じでー。ではでは。