『動物農場』

 

動物農場―おとぎばなし (岩波文庫)

動物農場―おとぎばなし (岩波文庫)

 

 

こんばんわ、ura_love_JPNです。今年の目標として、なんでもいいから初見本を一週間で一冊読みきると決めて、初見と思って『動物農場』を読んだのですが、既読感がすごくて、作品より自分がいつ読んだかが気になってしまいました。社会人になってからどこかで読んだんだろうか、、すごく気になる。。さすがに早いけど、呆けてきたのかしら。忘れないためにも書いておこう。

物語の概要としては、ある農場『荘園農場』で暮らしていた動物たちがある一匹の老いた豚の主張から、ふとした機会に動物たちが反乱を決行、『荘園農場』の主だった人間を追放する。『動物農場』を掲げ、動物たちによる自治を開始するものの徐々に学をつけた豚が覇権を握っていく。豚同士の抗争から始まり、豚による他の動物たちへの強制労働、犬に襲わせる恐怖政治、ものわからぬ羊を使ったシュプレヒコール及び大声で簡単なことを繰り返すだけの洗脳など、非常に手練手管に富んだ政治手段がモチーフになっており、ものすごく考えさせられる…ということなのですが、先にも述べたように既読感の正体が気になって、ちょっと雑に読んでしまった感がある。最後には豚が人間化(二本足で立ち、4本足の動物を虐待する)して『荘園農場』に戻ってしまい、フツーの人間と馬鹿騒ぎをする…という物語ですが、滔々と私が語らなくても多分みんな概要は聞いたことがあると思うくらいの有名な話だったんだけど、私は読んでないつもりで楽しみにしてたら読んでたというオチだよ、うわーん。

まあ、私の既読感はいいとして。

作品が描かれた時代背景として、1945年出版ということで、戦中からすでにソ連社会主義に警鐘を鳴らしていたという作品。この話もソ連をイメージして描かれて、その結果ソ連は1991年崩壊(…で年号よかったよね、あれ?)するんだけど、この作品は今読んでもものすごく新しくて、個人的には現代社会すべて、特に資本主義にもものすごく当てはまると思われるんだよね。

資本主義と社会主義は対立した主義主張として考えられてるんだけど、それって、本当に対立している主義主張なのかというと私としてはそこまで対立しているとも思えない。資本主義も社会主義も目的は一つで、『みんなが幸せになること』が目的だと思う。

ただ、対立する項目としてはその幸福へのアプローチとして、各自の富を最大化させ、その余剰で他の少ない民への保障を上げていくのが資本主義で、最初から富を考えず、全員の利益を働いたそばから平等に分けていこうというのが社会主義、と認識してる。

資本主義的な見方で言えばこの『動物農場』において一番利益を受けるべきは多分壮年〜老馬になっているボクサーという雄馬。が、社会主義においては非常によく働くが、働きすぎて最後には働けなくなって、売り飛ばされて殺されて、豚たちに集金する役割…とされてしまった。

…が、今我々資本主義の立場から読んでも、このボクサーみたいになりふり構わず働いても報われないって、あるよね?ブラック企業だの、政治献金だの、消費税10パーセントだの、カネは上に流れるようになっている。もちろん当時の社会主義ほどひどいわけではないのかもしれないけど、今の資本主義も大概かもしれない、と思うのは私だけではないんだと思うし、だからオーウェルが見直されているのもあるはず。

見直すべきなのは『社会主義が悪である』という見方もかもしれないと思う。変な話、みんな平等であるべき、という動物農場の当初の理想は、理想としてよかったんじゃないかと。もしも独裁者が現れなければ、そこに独裁者が、ナポレオンという犬を引き連れた独裁者が現れてからおかしくなっただけで、冒頭の『動物農場』はそれなりの理想郷だったんじゃないかなと思う。

もちろんリアルではソ連は崩壊、北朝鮮も資本主義への軟着陸を目指しているわけだろうし、中国もそれこそ規模がでかいから上は利益が吸いつつ、下は資本主義の概念が生まれる二重構造を取り始めてる中で、現状資本主義の方が上をいくものの、【ベーシックインカム】の概念は社会主義的概念だと思うから、社会主義と資本主義の間を取る主義が提示される頃合いかなと。社会主義を悪とするのではなく、政治自体腐敗を与えるものとみなして、どうすれば腐敗を防ぐかを考えるともとよい政治主義が生まれそう。その場合、日本はかつて一億総中流という成功した社会主義国だったということもあるし(ピーターフランクル氏が著作でそう言っていて、目から鱗だった)、その経験と失敗からどうしたらこの『動物農場』がうまくいくか、どこで軌道修正すべきだったかをもっとみんなで議論する場があると新しい主義が日本から生まれるかもしれないという夢も見られる。

惜しむらくは我々はやはり動物農場の皆のようにあまり語らない。語らないことを、従うことを良しとしている。その点でもっとブログでもなんでもきちんと主張していくといいよね、と思ったりする。から、なんだかわからないような話になってきたけど、ちょっと書いておく。

よし、これだけ書いたら、多分もう忘れないはずw

ではでは、おやすみなさいー。