今更だけど、『結界師』にどハマりして、やばい今。(ネタバレあり?)

こんばんわ、ura_love_JPNです。寝る前に無料漫画アプリで漫画を読んで幸せな気分で眠るのが日課なのですが、最近今更ながら『結界師』にどハマりして、今、最終回までついに読み終えました。

いろいろ言いたいことがある。とにかく最高でした。

コミックス全35巻の長編で、私自身最初の5巻くらいをリアタイから数年後にチョロチョロ読んでは忘れてを繰り返していたのですが、子どもがアニマックスで再放送しているのをちらっと見始めて、主題歌を歌う中で私も耳に残っていき、何度目かの挑戦を始めました。

アプリとしては【サンデーうぇぶり】で、名探偵コナンやら、あだち充作品やら、先日topisyuさんが紹介されていたあだち充とその破天荒なお兄さんを描いた『あだち勉物語』なども掲載されています。漫画アプリの恒として応援メッセージと称したコメントの書き込みも可能で、これと合わせて読むのが大変に楽しいです。

さて、『結界師』ですが、中学2年生の主人公と、高校2年生のヒロインは昼は学生ながら、夜は【結界師】としてその土地に集まる妖(あやかし)という幽霊のような、妖怪のような、人外と【結界術】という立方体で妖を捉え、滅するお仕事をしており、400年前から続く〈お仕事〉に囚われて生きている中で、なんとかして土地の力を封印したいと主人公は考えてきました。主人公には兄がいるものの、長男ながら【結界師】の正当継承者の印が出なかったことにコンプレックスを抱き、家を出ており、母親も同じく土地の謎を解くべくか長い放浪の旅に出ており、ヒロインの父親も妖との戦いに傷つき、亡くなっている…という複雑な家の事情も明かされてきて、妖達だけでなく、その上位の神々(に近い存在)などとも出会い(別れ)ながら成長し、解決する物語でした。

私がドツボにハマったのは志々尾限というキャラクターで、主人公と反発するキャラだったのが、徐々に交流を深め戦う中で親しくなっていく…という役回りで、その主人公との距離感がものすごくアオハルで、大好きで、先が読みたくてブックオフに駆け込んで、彼が表紙の9巻、10巻を買いました。

彼の単独表紙の10巻を読み終えて、私は叫びました。なんてこった!!

そこからもうノンストップで今日に至ります。

結界師』の良いところはいろいろあるんですが、発言が重いんですよね。まあ、話が重いので発言の比重も重くなるのは当たり前なのですが、絵が比較的軽いのでスラスラ読める中で、サラッと重い発言をするので、最初スルッと流れるんですが、振り返ると結構ズドンとくる…という経験が多くて。で、そのズドンとくるシーンにはきちんと絵もしっかりくるように考えられていて、それがいいなと。

最終巻に近づくにつれて増えていき、最終巻はなんかそのオンパレードなのですが、例えば【眺める者】という不思議な存在が出てくるんですが、その存在曰く、

 

(主人公と張る強キャラ相手に、さっき会った主人公たちを思い出し)

だがお前も…

さっき見た奴らもなかなか強い枠を持っている。

強い枠を持っている奴はいい…

多くはみ出した所で容易く壊れん。

お前達人間は(中略)馬鹿げたことを繰り返し、はみ出し、踏み外すのだろう…

だがそれでもまだお前達がその人の枠を保ち、枠を守ろうとするのなら…

俺はずっとこの世界を眺めていられるのさ…

 

とかね。あと、同じ回で敵に洗脳されて過去や自分の意思を失くした友人に主人公がかける言葉で

 

(友人)俺は…これでよかったと思うか…

(主人公)ああ…自分で考えて出した答えなんだろ…

 

ってセリフがあるわけですが、このとき、明るく前向きで元気いっぱいの主人公が下を向いて答えて、さらにその上に青空が広がる描写が入るんですが、このあとに、

 

(主人公)封印か…俺、なにもわかっていなかったな…

 

と一人で呟くんですよ…そしてこのあとに怒涛の展開で主人公は自分の大事にしていたものを巻き込んでの完全封印を行うことになって、主人公は(読者も)大泣きするわけなのですが、結局、上のセリフが全てなんですよね。全部自分が考えて出した答えで、誰かがその答えを強制したわけでなくても全てを受け入れたからには〈(他の誰かの)自分の出した答え〉を尊重しなくてはならなくて。

すんげー重たい。もうねーそれを思って、主人公の良守くんを想ってまた泣けるレベル。

でもその覚悟の結末の完全封印が素晴らしいの。本当に救いのある世界が描かれていて、美しいの。皆が仲良く暮らす世界が楽しく現れて、みんな笑顔になれる世界で、夢を見ているような世界が現れて、ずっとここで暮らせると幸せだなと私も感じた。楽しい、楽しい世界。

でもその素晴らしい完全な世界から、さらに物語としての葛藤が続いて、そこからさらに展開されていくのも素晴らしいの。主人公がこれでもか、これでもかと苦しむ。完全な世界は完全な嘘で、完全な世界なんてないの。でもそこにそれはあるの。そのアンビバレンツな状況でもから踏み出して、帰ったその先に、完全な世界はやっぱりあるんだよなーというエンドで、そのジェットコースター的なストーリーの振り方が本当に素晴らしかった。

私の勝手な間違いなんだけど、元々ゴールはハッピーエンドではなく、日常エンドとどこかで見ており、そうかー、それも穏やかでまあ、いいかーと想っていたら、完全なミスリードでやられた!と感じた。個人的には極上の日常エンドでした。素晴らしいエンディングでしたよ。

さて、とりあえず長くなってきたので寝るんですが、主人公がかっこよくて仕方がない。先のお気に入りの限くんもそうなんだけど、主人公がめちゃくちゃ私の個人的にツボ。バカで授業中に寝てばっかで、考えなしで、そのくせ感覚的に理解していて、とにかく優しい。こういう子を育てたいなと思う。これまでも『スプリガン』の主人公・御神苗くんとかカッコかわいくて、大好きだったんだがw良守も本当にかわいくてカッコよくていい。サンデーはこういうキャラを出してくるから侮れない(どういう…)

しかし、こういう子を育てたいという点では主人公のお母さんも自由な人なので自由気ままに漫画とゲームに明け暮れているわたしにはちょうどいいなとwいや、もうこんな才能はないですけどねwwでも憧れるわーこんな家族はいいなー。旦那さんも素晴らしい。でもこ漫画のお母さんほど私は割り切れないね。子どもに言われたらすぐグダグダになる。残念ながらここまで尽くせない。すごい母さんだわ。

あと、小ネタ的に記録しておくと、途中で出てくる調査班的な専門家の脇役に〈波平(なみひら)〉ってキャラがいるんだが、国民的アニメ・サザエさんに登場する波平(なみへい)と間違えられており、私も以下の本を読んで、ところどころ論文の出典で出てくる作者・波平(なみひら)を(なみへい)と読んだので、この私の経験を作者もしたのが元ネタなんじゃないかと勝手に思っている。多分ストーリー等作る中でこれ系の本をいっぱい読む中で印象的な名前だったんじゃないかなと。

個人的な話ながら、この調査班がたくさん出てくるようになって後半本番突入した感があるし、なんだかんだで彼と、キザでカッコいいと評判のワカメ王子は特に丁寧に描かれていた感じがあり、新生裏会(主人公の兄が首を突っ込んだ人外を管理する組織)の中心になるんだろう的なサブストーリーも読み応えがあった。そう、脇役が活躍するのがすごく良かったよ。ラストバトルにおける主人公の比率、めっちゃ少なくてそれもまたすごかった。主人公がなくても話が成り立つってすごい。

よし、とりあえず今日はこんなところで。ああ、そうそう。アニメの主題歌も本当によくて、オープニングも楽しい曲なんだけど、エンディングの一つがめっちゃ元女子高生的にわかる歌でよかった。この曲が、最近目が覚めるくらい好き。

…いろいろとすごい装丁だなぁwこれはいかんだろwwせっかく中身がいいのに。…といっても90年代後半の女子高生の日常と、最後にオチをつけているくらいでそこまでいいものでもないのかもしれないけど、私は結界師の主題歌集の中で一番気に入っている。

 そのくらい。3500字と長文ですが、またお好きな方に読んで頂ければ嬉しいです。ではではおやすみなさいー。