過去ログ開帳〜エネミー・ゼロ実況プレイを見終えて(ネタバレあり)

  前回に引き続き、過去ログ開帳です。個人的にこれ(自分の過去の日記)を読んでまたエネミーゼロの動画が見たくなってきた…

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(2013年2月頃の日記)

  ゲームクリエイター飯野賢治氏が亡くなったそうです。

  彼のCMに触発され、ゲームをほとんどしたことがないにもかかわらず、セガサターンエネミー・ゼロを買ってもらいました、発売当時。

  しかしながら、ゲームに馴染みのなかった私としては、オープニングはともかく、明るさのない冒頭やら、部屋を出入りする時のムービーの『プシュー』音で怖くなりすぎてせっかく買ってもらったのにほぼ手をつけられずに終わった苦い思い出があります→幸いに当時キャンペーン中で『クリスマス・ナイツ』という子供向けゲームもついており、こちらを主にプレイしました。

  …ということでそれなりに心残りがあったので、今更ながら実況をみました。  

 


Enemy Zero (Sega Saturn / PC) - Part 0/14 (Intro)

 

  肝心の内容としてはバイオハザード的なホラーアクションゲームの走りです。地球に帰還する宇宙船で乗務員が見えない何かに惨殺されるオープニングから物語は始まります。主人公はローラという金髪美女。残された数少ない乗務員たちとコンタクトを取りながら事件の解決を目指す…と、勘のいい人ならすぐに『ほぼ全員死ぬな』と気付く設定です。当時の私でも感じたその設定、間違っていませんでした。

      と、軽くネタバレをしたところで、相当なネタバレを。ネタバレ嫌いな人はわざわざこんなページを踏まないと思うので、焦らさずにいくと、このゲーム、宇宙系映画の名作からストーリーにおいてネタをパクっていると噂されています。→製作者は否定していたようですが、これは確信犯的に被らせてるレベルです。

  見えない敵であるという段階でプレデターを思い浮かべますし、ストーリーを最後までみると完全にエイリアン1-3のオマージュです。もう、これでもかというほど、エイリアンの印象的なエピソードを取り入れています。    

  …でもね。私も実はそういうネタバレを見て実況見ましたが、これが悪くないんですよ。これは予想外。

   エイリアン三部作自体の記憶があやふやだから良かったのかもしれません、あるいはなんだかんだで思い入れのある作品だったから良かったのかもしれません、実況者のプレイもスムーズでよかったというのもあります。でも、実際、ゲームのクオリティ高かったんじゃないのかなと感じるレベルでちょっと見て良かったなと感じる実況でした。  

    エイリアン、名作です。でも、この三部作をうまく編集して2時間にまとめるって普通できないと思うんです。(やろうともしないというのが正解でしょうが)でも、このゲーム、そのエッセンスをうまくまとめて、また当時ではありえない映像表現でそれを実現してて、音楽もまた非常に洗練されてます。というか、マイケルナイマンでした。映画ピアノ・レッスンの音楽で有名な方ですが、実況で見ていると相当音楽で語ってるのがわかりました。いいところで挿入してきます。

  またムービーは当然人物も造形もポリゴンですが、もちろんローラの顔が伸びたり縮んだり、口元の動きがやたら不自然なシーンはもちろん多いですが、途中から本当に映画を見てる気になると気にならないレベルでした。もちろん実況を見てるというその時点でゲームプレイしてない私がいうのもなんですが、それで面白いってすごいことだなと素直に感動しました。主人公が崩れ落ちるシーンが何箇所かありましたが、動きは苦しいですが、ああ、そういう絵を撮りたいのねと脳内補完をすると、いい映像になったり→多分こういうのに賛否両論あるんだと思いますが、私は苦にならなかったです。むしろ、その不自然さに熱意を感じました。

  終盤、ローラがエレベーターで崩れ落ちるシーンがありますが、この崩し方はなかなかゲームでは見ないモーションしました。→でも多分映画なんかだとこういう動き、結構するよなーという動きで。こういう動きが入るとますますもってエイリアンなんか見たことないという飯野賢治氏の発言の信ぴょう性がないと確信しました。絶対映画みまくってるよ、あの構成。

     結局、エイリアンのオリジナル同様、主人公以外全員死ぬのですが、序盤で死んだような演出の一人がクライマックスに登場し、また死んでいくというシーンがあります。これ、個人的にものすごいいいカットでした。また主人公のキスシーンも力入ってるし、アクションパートについては結構適当な作りでしたが、見えない敵に音で立ち向かうってのもまた挑戦的だったんだなと。しかもこの仕掛け、最終盤、ものすごくいい伏線を生み出していました。よもや!みたいな。  

    飯野賢治氏自身亡くなってしまってそのあと、こんな気づきをするというのは申し訳ないですが、ああ、やっぱり名作だったんだなというのが率直な感想です。あのときはエイリアンも知らなかったような気がするし、この作品の意味も、インタラクティブゲームの意味もわからなかったけど、結局、こういうことだったんだろうなーてのがわかるとストンと落ちるゲームでした。要はゲームで映画を再現するってのがポイントだったんだなーと。当時も結構考えられてたんだろうけど、それを高いレベルで実現してたんだなと。    

   ちなみに、今日まで知らなかったのですがキャッチコピー素晴らしいです。ズバリ、『デジタルの悲しみ』…ですよ?!何その、ゲームの内容にも制作の苦労にも通じる意味深なキャッチはと思いました。単純なのがいいです。キャッチは絶対わかりやすいのがいいです。含みがあるのもいいです。最高です。そういう周辺も含めて、私にとっては充分優良ゲームです。(ちなみに実況動画が短めというのも好ましいです。そりゃ当時これだけのクオリティで大長編は作れないよねってあたりもデジタルの悲しみですね。)  このページにきた人は多分それなりに興味をもってる方だと思うのでよければちらっとでもみると飯野賢治氏に対しては良い供養になるんじゃないかと思います。

 

 

エネミー・ゼロ サタコレシリーズ

エネミー・ゼロ サタコレシリーズ

 

 

   

長くなりましたが素敵な(トラウマな)思い出をありがとうございました。合掌。    …しかし、この日記、相当ゲーム分が高くてちょっと想定外。。もうちょっと真面目なことも書きたい、せっかくなんだしと思いながら、なかなか気力がいるんだよね。。それはまた別のお話~    では、おやすみなさい。