話題の『ジョーカー』、私はこう観た。

こんばんわ、ura_love_JPNです。巷で話題になっている『ジョーカー』が気になって、数少ない友人も気になっているという話も受け、会社を休んで観に行ってきました。

駅前少し離れた映画館で平日昼間でしたが、それなりに大入り。試験期間中だったのか、男子高生が一列陣取ったり、やたら目立つ。それなりにバイオレンスが期待できるから?窮屈な席に座り込んでスクリーンを少し見上げて大入りの作品はそれだけでワクワクする。

見始めて感じたのは思いのほか、アーティスティックだと言うこと。他の人の評価も読んでいたのでイメージはあったが、確かに70-80年代アメリカ的にオールディーズっぽい曲を背景にした出だしはクールだった。

Joker (Original Soundtrack)

Joker (Original Soundtrack)

 

  私自身『サイテー』と評判のクルーニーバットマンMr.フリーズの逆襲)他古い数本のバットマンしかフォローできておらず、最近のバットマンのトレンドはフォローできていないため、『これ、本当にバットマンシリーズ⁈』と思ったwまあ、私の時差ボケは置いとくとして、オールディーズ音楽で繰り広げられるジョーカーの悲劇的な日常は、私にはやはりものすごく今時で身近。

あまり大きい声では言えないが、どのシーンを切り取ってもよかった。というか振り返るといい映画だったと感じられる映画だ。終わった直後は砕ききれない感じがあって消化不良感があったのが、今にして思い出すと美しい。

例えば今思うと私はジョーカーが踊るシーンを好きだった。混乱を表していると思うが、あの笑い声と同様に脳障害の発作とも読めた。あそこで踊る理由がない。そういう場で彼は踊っていた印象で、発作なんだろうなと。でもその分ジョーカーが入らない中で純粋にダンスは美しかった。そしてエリート証券マンを三人怒りに任せて殺したあのあとの混乱のダンスシーンは、やはり切なかった。

また母親との絡み、近所のシングルマザーとの付き合い、がこれまた切ない。裏切られた感はある。合間に挟まれるウェイン父子とのやりとりも胸を打つ。幼きバットマンは可愛すぎるのもツボだ。

ジョーカーが賢いのも切ない。みんなから馬鹿にされるのだが、だからこそよく見ていた。しっかり頭を働かせていて、誰が自分に興味を持っているかをきちんと認識している。優しさやイジリを認識している。だからこそ自分に興味を持っていたはずの母親が、近所の女性が、ジョーカーに対して突き放した物言いをするのが悲しかった。

ジョーカーは今作で証券マン3人をはじめ、母親を殺し、(近所のシングルマザーはどうしたかわからないが)元同僚を殺し、愛してやまなかった(みのもんた的正義感のある)スター司会者を殺し、そして暴徒たちに守られる。崇められたりする。そして時系列通りならラストのカウンセラーも蹴り殺していて、彼は逃げ回る。救いがないが、理由はある。我々はジョーカーに理由があるから、どこか同情する気持ちになる。

ただ、私は日記書き始めて思っている。やっぱりどう考えても、美しすぎる。

だって、彼には殺す理由がある。彼は貧困層で、精神障害を患っている社会的弱者で母親も周囲も社会的弱者が集まり、そこで過剰に身を守ろうとしている、縋ろうとしている。それでも救いは与えられないのは誰でも怒れるよね、悲しいよね?と問いかけられているような気がしており、理屈っぽすぎる。そして人間らしすぎる。

何と比べて、といえば、私が知っているバットマンにおけるジョーカーなのだがジョーカーは結構トリッキーで所帯を感じさせないところがあったと思うのだが、もしも今作ジョーカーが本物だとすると過去未来におけるジョーカーはこの映画の弱々しい狂喜の主人公の歴史となり、ジョーカー=悲劇の青年…となってしまうかと思うと本当にそんな同情が得られるタイプかなぁと考えたり。ハンニバルレクターに同情される過去があったとなると違和感を感じるだろうに、と思う自分がいる。うまく言えないけど今作品の8〜9割が実は嘘でした的な方がジョーカーの本質に迫れる気がする。本物のジョーカーならそんな風に裏切るのが正解なんじゃないかと。

そうそう、私が理解できなかったシーンが一つだけ。冷蔵庫の中身を出して、ジョーカー自身が冷蔵庫に入る、次に気がつくとベッドで寝ており電話を受ける…というシーンだが、あれは何を意味していたのかわからないから気になっている。

先の美しすぎるに対して、あの冷蔵庫が答えになっているとか想像できないかな。本物のジョーカーはあのシーンで冷蔵庫に閉じ込められ死んでいるのではないか、とかね。

眠くて雑ですみません。そんな感じで大変楽しめました。が、男子高校生たちはこれを見て、どうなのかなーと。映画好きなら考察しながらそこで盛り上がれるけど、この映画はあまり盛り上がれるタイプじゃないというか、なかなか語るのが難しい作品だと思うので大変だなと。

そんなわけで本当に眠いので寝る。ジョーカー、書けてよかった。ではではおやすみなさいませー。